株式会社growth

病院の天井に発生するカビのリスクと最適な対策法

お問い合わせはこちら LINE公式アカウントでお問合せ

病院の天井カビ問題、放置厳禁!医療リスクと効果的な対策方法を解説

病院の天井カビ問題、放置厳禁!医療リスクと効果的な対策方法を解説

2025/03/28

病院やクリニックの天井に発生するカビ問題と対策【徹底解説】

医療施設の管理者の皆さまにとって、院内の環境衛生を保つことは最重要課題の一つです。その中でも天井に発生するカビ問題は見落とされがちですが、患者の安全や施設の信頼性に大きな影響を及ぼします。本記事では、病院やクリニックなど医療施設の天井に発生するカビについて、わかりやすく解説します。カビ発生のリスクと背景から、具体的な予防策・対処法、さらに実例や再発防止のポイントまで網羅し、医療施設の管理者様が実務で参考にできる内容をまとめました。

目次

    医療施設で天井にカビが発生するリスクと背景

    病院やクリニックなどの医療施設は常に清潔であることが求められます。しかし、建物の構造や利用状況によってはカビが発生しやすい環境が生まれてしまうことがあります。特に天井は高所にあり目が届きにくいため、カビの発生に気付きにくい場所です。以下に、医療施設における天井カビのリスクとその背景について説明します。

    ●湿度の高い環境:日本の気候や院内の加湿器使用などにより、病院内は高湿度になりがちです。湿度が約70%以上になるとカビの繁殖が活発になります。患者の快適さのために加湿が行われる場合もありますが、湿度過多はカビ発生リスクを高めます。

    ●換気不足:院内感染防止のため窓を開放しにくかったり、空調システムに頼った密閉度の高い空間では、新鮮な空気の流通が不足しがちです。空気が滞留すると湿気もこもり、天井裏や天井表面に湿気がたまりやすくなります。

    ●構造上の問題:古い建物では屋上や天井裏からの雨漏り、配管からの漏水、結露などが起きやすく、天井材が濡れてカビの温床になります。空調ダクトの結露水が天井に染み出すケースもあります。また、外気との温度差で天井裏に結露が発生し、その水分がカビ発生を促すこともあります。

    ●人の出入りと埃:病院は人の出入りが多く、リネンや紙類など埃の発生源も多い環境です。天井面には軽い埃が溜まりやすく、埃はカビの栄養源となります。栄養分と湿気が揃うことでカビは繁殖しやすくなります。

    以上のような背景から、医療施設では天井にカビが発生するリスクが常に存在しています。特に目に見えない天井裏でカビが繁殖すると、発見が遅れて広範囲に広がってしまう恐れがあります。

    天井材の種類とカビ発生の原因・特徴

    病院やクリニックで使用される天井材にはいくつか種類があります。それぞれの材質によってカビの発生しやすさや原因には違いがあるため、代表的な天井材ごとにその特徴を解説します。

    ジプトーン天井にカビが生える原因

    ジプトーンは石膏ボード系の化粧天井板の一種で、多孔質(小さな穴が多数空いた構造)で音を吸収する性質があり、病院の病室やオフィスなどで広く用いられています。ジプトーン天井でカビが発生しやすい主な原因は、湿気と埃の付着です。

    ジプトーンは材質的に湿気を吸収しやすく、湿度が高い環境や結露が生じる状況では天井板が湿った状態になってしまいます。また、多孔質ゆえに表面に埃が溜まりやすく、そこに浮遊しているカビの胞子が付着すると発芽・繁殖しやすくなります。エアコンの吹き出し口付近などは温度差で結露しやすく、ジプトーンに黒カビの斑点が生じることも少なくありません。

    一度ジプトーンにカビが生えると、表面だけでなく内部まで菌糸が入り込みやすいのも特徴です。見た目は小さいシミでも、裏側ではカビが広がっているケースもあります。そのため表面を拭いただけでは再発しやすい点に注意が必要です。

    左官仕上げ(ひる石)天井のカビの特徴

    病院の古い建物や昭和期に建てられた施設では、コンクリート天井に砂やバーミキュライト(ひる石)を混ぜた左官仕上げの天井が使われていることがあります。ひる石天井とも呼ばれるこのタイプは、表面がザラザラした左官材で覆われており、一見コンクリートむき出しにも見える独特の風合いです。

    ひる石天井は経年劣化した建物や断熱不足の環境でカビが発生しやすい傾向があります。外気との温度差が大きい部分(外壁に接する天井隅など)では冬場に結露が生じ、その湿気によって黒カビが発生することが多く報告されています。左官材は多孔質で水を吸い込みやすいため、一度湿るとなかなか乾燥せずカビ繁殖の温床となります。

    また、ひる石天井にカビが生えると、微細なひび割れや隙間から大量のカビ胞子が室内に飛散するリスクが指摘されています。実際、結露による黒カビが広がった病棟では、夜間に天井から落下した胞子を吸い込んだ患者が朝方咳き込む症状を訴えた例もあります。目に見えなくてもカビは天井材内部や裏側で繁殖し、室内空気へ影響を及ぼすことがあるのです。

    岩綿吸音板でのカビ発生と原因

    岩綿吸音板(がんめんきゅうおんばん)はロックウールとも呼ばれる鉱物繊維(岩綿)を主原料とした軽量の天井用吸音ボードです。音響効果と耐火性に優れ、多くの病院や施設の天井パネルに採用されています。この岩綿吸音板も、状況によってはカビが生えることがあります。

    岩綿吸音板は湿気を吸収しやすい性質を持っています。通常の病棟では極端に湿度が上がることは少ないですが、例えばリネン室、機械室、トイレやシャワー室付近など湿度が上がりやすく換気が不十分な場所では黒カビが発生してしまうケースがあります。天井裏に漏水があった場合も、岩綿板が水分を含んでしまい、乾燥しないままカビが拡大することがあります。

    特徴的なのは、空調の吹き出し口や吸気口周辺にカビ汚れが集中しやすいことです。エアコンからの冷気で周辺が冷え、そこに室内の湿った空気が触れて結露することで、その部分の天井板が常に湿った状態となりカビが発生します。また吹き出し口から出る微細な埃も付着しやすく、カビの栄養分となります。

    岩綿吸音板のカビは表面に黒や茶色の斑点状に現れ、美観を損ねるだけでなく、放置するとカビ臭や胞子飛散の原因になります。吸音板の場合、表面に特殊塗装を施してカビごと覆い隠してしまう対処法もありますが、根本的には室内の湿気環境を改善しないと再発しやすい点に注意が必要です。

    カビによる院内感染リスクと健康への影響

    天井に発生したカビは、単に建物の美観を損ねるだけでなく、病院内の空気質を悪化させ、患者やスタッフの健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。医療施設ならではの院内感染リスクという観点から、天井カビがもたらす具体的な危険性を押さえておきましょう。

    ●免疫力の低い患者への感染症:病院には高齢者や免疫力が低下した患者(例:がん治療中の方、臓器移植後の方、ステロイド長期使用者など)が多数います。カビは真菌の一種であり、こうした免疫不全の患者にとっては命に関わる感染症を引き起こすことがあります。例えば空調を介して飛散したコウジカビ(アスペルギルス)の胞子を吸い込むことで、免疫力の弱い患者は肺アスペルギルス症など重篤な感染症を発症する可能性があります。これは咳や呼吸困難などを引き起こし、場合によっては命に関わる危険な病気です。

    ●術後や重症患者への影響:手術直後の患者や集中治療室(ICU)の患者は感染に非常に敏感です。手術室やICUでカビが見つかれば、手術創やカテーテルを介して体内に菌が侵入し感染症を誘発する恐れがあります。手術の延期や病棟閉鎖など深刻な事態に直結するため、極めて重大な問題です。

    ●医療機器・製剤の汚染:空気中のカビ胞子が増えると、院内の医療機器や薬剤への落下・付着による汚染リスクも高まります。無菌製剤や手術器具に胞子が付けば、それを介して患者に感染症が伝播する可能性があります。

    このように、天井に発生したカビを放置すると院内感染のリスクや患者の体調悪化を招き、ひいては医療機関の信用問題にも発展しかねません。「見えないから大丈夫」ではなく、見えない所にこそリスクが潜んでいると認識することが大切です。

    カビ発生による影響の事例紹介

    実際に、医療施設でカビ問題が深刻な影響を及ぼした例も報告されています。以下にその一例をご紹介し、カビ対策の重要性を再確認します。

    事例1: 手術室の天井裏カビによる感染事故
    ある病院では、手術室の空調ダクト付近で繁殖したカビにより術後の患者数名が肺真菌症を発症する事故が起きました。調査の結果、天井裏で漏水が起きカビが広がっていたことが判明しました。病院側は緊急で手術室を閉鎖し、専門業者による徹底清掃と除菌を実施します。全ての空調フィルターを交換し、ダクト内のカビも除去。さらに空調システムにHEPAフィルターを追加設置しました。幸い患者は全員回復しましたが、院内感染対策の見直しと大きな費用負担を強いられる結果となりました。

    病院内でできるカビ予防策

    ●適切な換気の確保:24時間換気システムや空調設備を常に良好に維持し、新鮮な空気の供給と湿気・汚染空気の排出を促します。定期的に空調フィルターの清掃・交換を行い、換気ダクト内に埃やカビが溜まらないよう管理しましょう。トイレやシャワー室、リネン室など湿気のこもりやすい場所は局所換気扇を設置し、長時間の運転で湿気を排出することが重要です。

    ●湿度管理:院内の湿度をおおむね40〜60%程度に保つことが推奨されます。梅雨時や夏場など高湿度になる季節は、除湿機やエアコンの除湿モードを活用して湿度上昇を抑制します。特に結露が生じやすい窓際や外壁近くの部屋では、断熱対策や結露防止テープの活用も検討しましょう。湿度計を各所に設置し、日常的にモニタリングすることも有効です。

    ●清掃と埃対策の徹底:天井面に溜まった埃は定期的に除去し、カビの栄養源を断ちましょう。高所清掃を清掃スケジュールに組み込み、空調吹き出し口周辺もアルコール拭き取りで常に清潔に保つことが大切です。

    ●設備設計の工夫:新築・改修時には防カビ性の高い建材を採用することも重要です。例えば防カビ剤入り塗料で天井や壁を仕上げたり、吸湿性の低い天井材を選ぶことでカビ発生リスクを低減できます。また天井裏の断熱性能を高めて結露を起こしにくくする施工も有効です。さらに、点検口を適切な位置に設置して天井裏を確認・清掃しやすくしておくと、異常発生時に早期対応が可能になります。

    ●定期的な監視と点検:除去後は段階的に経過観察を行い、天井に変色や異臭がないか定期チェックします。防カビ施工の効果が切れる頃に合わせた定期点検スケジュールを組み、微小な兆候でも早期に対処できる体制を整えましょう。

    こうした予防策を講じることで、カビの発生リスクを大幅に下げることができます。特に病院では「予防的対応」が肝心であり、問題が顕在化してから対処するよりも、日頃の管理でカビを寄せ付けない環境づくりを目指しましょう。

    天井にカビが生えた場合の清掃・除去方法

    万全の対策を講じていても、実際にカビが発生してしまうことはあり得ます。大事なのは、カビを発見した際に迅速かつ適切に除去することです。ここでは天井にカビが生えてしまった場合の清掃・除去方法と、専門業者に依頼する際のポイントを解説します。

    自力で対応する場合の基本

    小規模なカビ(天井に点在する数cm程度の斑点が少量)の場合は、応急処置として以下のように対応できます。

    1.防護具の着用:清掃作業者はマスク(できればN95マスクなど微粒子を遮断できるもの)、ゴーグル、手袋を着用し、胞子を吸い込まない・皮膚に触れないようにします。

    2.表面の拭き取り:アルコール除菌剤(エタノール)や塩素系漂白剤を布に含ませ、カビの生えている部分を優しく拭き取ります。漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)はカビの色素を落とし殺菌できますが塩素臭が強いため、使用時は十分換気します。アルコールは臭いが少なく手軽ですが、しっかり湿らせて拭き取ることが重要です。

    3.拭き取り後の乾燥:薬剤で拭き取った後は、その部分をしっかり乾燥させます。湿ったままだと再びカビが繁殖しやすいため、可能であれば送風機やエアコンで乾燥を促進しましょう。

    注意点として、カビが根を張って材質内部まで繁殖している場合、表面を拭いただけでは不十分です。ジプトーンや岩綿板なら汚染がひどいパネルは交換した方が確実ですし、ひる石天井の場合は無理に擦ると天井材を傷める可能性があります。また清掃中に胞子が飛散して他所に二次汚染を起こすリスクもあるため、広範囲なカビや原因不明のカビは専門業者に任せるのが賢明です。

    専門業者による除去と施工方法

    病院など大規模施設でカビ除去を行う専門業者は、以下のような手順・技術で安全に作業を進めます。

    ●原因の調査と範囲確認:まず原因とカビの広がり範囲を調査します(漏水・結露の有無、天井裏の状態、空調状態など)。その結果を踏まえ、再発防止策も含めた除去計画を立てます。

    ●養生と封じ込め:作業箇所をビニールシートで密閉し、陰圧機による負圧管理で周囲への胞子拡散を防ぎます。医療機器が近くにある場合は予め保護カバーを掛け、万全の養生を行います。

    ●薬剤による殺菌:次にカビ専用の殺菌剤や抗真菌剤を散布・塗布し、カビ菌を死滅させます。病院環境に適した低臭気・安全性の高い薬剤が使用され、場合によっては微粒子ミスト(MIST工法®)で天井材の内部まで薬剤を行き渡らせます。これにより菌糸の根まで処理でき、胞子の飛散も最小限に抑えられます。

    ●物理的な除去・清掃:殺菌処理後、カビ汚染物を物理的に除去します。ジプトーン板や岩綿板は取り外して清掃・交換し、ひる石天井は薬剤浸透後にブラシ等で表面のカビ層を慎重に削り取ります。必要に応じて同質材での補修や、防カビ剤入り塗料での上塗り仕上げを行うこともあります。

    ●乾燥と仕上がり確認:最後に十分乾燥させ、目視および必要に応じて検査でカビが除去できたことを確認します。作業エリアを清掃・消毒し、養生を撤去して作業完了です。

    このようなプロセスで対応するため、専門業者によるカビ除去は再発リスクを大幅に低減できます。特に病院では患者の安全が最優先ですから、作業中の衛生管理や使用薬剤の安全性にも細心の注意が払われます。

    業者選定のポイント

    依頼先を選ぶ際は以下を確認しましょう。

    ●医療施設での施工実績が豊富か(患者や機器への配慮、感染対策の知識があるか)。

    ●原因分析や再発防止策の提案力があるか(単に清掃するだけでなく根本対策まで対応できるか)。

    ●使用薬剤や工法の安全性(病院環境に適した安全な薬剤を使い、最新の防カビ工法を導入しているか)。

    ●作業計画の明確さ(見積もり範囲が明示され、病院の運用に配慮したスケジュール調整ができるか)。

    天井カビ除去後の再発防止策

    カビを除去した後も、そのままでは再び同じ場所にカビが生えてくる可能性があります。せっかく費用と時間をかけて除去したのなら、再発防止策まで講じてこそ真の解決と言えます。天井カビ除去後に取るべき再発防止策をまとめます。

    ●防カビ施工の実施:カビ除去後の天井面に、抗菌・防カビ効果のあるコーティングを施すことは効果的です。防カビ剤入りのクリア塗料や光触媒コーティング、銀系抗菌剤スプレーなど、材質に応じて適切な防カビ処理を行えば、しばらくの間カビの発生を抑制できます(新規に天井板を交換した場合も、取り付け前に防カビ剤を塗布しておくと安心です)。

    ●原因への対処:再発防止には、最初にカビが生えた原因を断つことが不可欠です。漏水が原因だったなら速やかに修繕工事を行い、結露が原因なら断熱材の追加や換気改善を実施するといった具合に、発生源にアプローチします。また空調設定を見直し常に適切な温度・湿度になるよう調整したり、換気のタイミングを増やすなど運用改善も重要です。原因対策なく防カビ施工だけでは効果は一時的になってしまいます。

    ●定期的な監視と点検:除去後の箇所については定期的に経過観察を行い、再びシミや異臭が出ていないか確認しましょう。例えば除去後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月というように段階的にチェックし、問題がなければ徐々に頻度を下げつつも、1年ごとの定期点検を続けると安心です。防カビ施工の効果期間も踏まえて計画を立て、異常の早期発見・早期対処に努めます。

    再発防止策まで実施することで、初めて天井カビ問題が根本解決したと言えます。特に医療施設では、一度カビが出た箇所は再度弱点になりやすいため、継続的なフォローアップが求められます。

    おわりに

    医療施設の管理者として、日頃から環境の微妙な変化に目を配り、必要に応じて専門家の力を借りながら施設内を清潔に保つ姿勢が大切です。カビは目に見えなくても空気中に潜んでいる可能性があるため、「もしかすると…」という視点で設備を点検する意識を持ちましょう。

    患者様に安心して治療を受けてもらうためにも、またスタッフが健康に働ける環境を維持するためにも、カビ対策は決して軽視できません。天井にシミのようなものを見つけたり、かび臭さを感じたりしたら、些細な兆候でも見逃さず早めに調査と対策を行いましょう。

    清潔で安全な医療環境を守るためにも、もしカビ対策でお悩みの際は信頼できる専門業者に相談して万全の対策を講じてください。管理者の皆さまの適切な判断と行動が、患者様の安全と病院の品質維持につながります。

    ----------------------------------------------------------------------

    稼働エリアは九州全域:福岡県・熊本県・佐賀県・長崎県・大分県・宮崎県・山口県

    カビバスターズ福岡
    〒813-0002 福岡県福岡市東区下原3丁目21-14
    電話番号 : 090-8159-7525

     

    【検査機関】

    一般社団法人微生物対策協会

    https://kabikensa.com/


    ----------------------------------------------------------------------

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。