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一条工務店の「ロスガード90」でカビは発生する?第1種換気のリスクと湿気対策

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一条工務店の「ロスガード90」でカビ発生?高気密住宅の換気と湿気対策のポイント

一条工務店の「ロスガード90」でカビ発生?高気密住宅の換気と湿気対策のポイント

2025/03/06

こんにちは、カビバスターズ福岡です。
高気密・高断熱住宅の代名詞ともいえる一条工務店の住宅では、第1種換気システム「ロスガード90」が標準搭載されています。業界最高水準の熱交換効率(最大90%)を誇り、室内の快適な温湿度環境を維持しながら24時間換気を行うことで、高い省エネ性能と健康的な空気環境を両立させています。

しかし、どんなに高性能な換気設備を導入してもカビ発生のリスクが完全になくなるわけではありません。実際に、「ロスガード90を導入した住宅でもカビが発生した」という報告が一部で見られます。その原因は、換気設備の誤った使い方、メンテナンス不足、そして住宅の気密性の高さゆえの結露などが挙げられます。

本記事では、「ロスガード90」の特徴と換気の仕組み、カビ発生のメカニズム、そして適切な湿気管理・メンテナンス方法について詳しく解説します。住宅メーカーや施工業者の皆様にとって、一条工務店の高性能住宅を長持ちさせるための適切な換気管理・カビ対策の知識を深める一助になれば幸いです。

一条工務店

https://www.ichijo.co.jp/

目次

    一条工務店「ロスガード90」とカビ発生リスクの解説

    はじめに

    一条工務店は、高気密・高断熱住宅の分野で定評のある住宅メーカーです​。高い断熱性能と気密性に優れた住宅は、室内環境を快適に保ちエネルギー消費を抑えるメリットがあります。しかしその一方で、住宅の気密性が高いほど24時間換気による計画的な換気が欠かせません。適切な換気を行わないと湿気や汚れた空気が室内にこもり、建材の劣化やカビ問題につながる可能性があるためです​。実際、インターネット上でも「一条工務店 カビ問題」といったキーワードで高性能住宅におけるカビ発生への関心が伺えます。

    高気密・高断熱の住宅を長寿命化させるには、計画的な換気で結露や湿気を防ぎ、カビの発生リスクを低減することが重要です​。日本の建築基準法でも新築住宅への24時間換気システム設置が義務付けられており、常に新鮮な空気を取り入れることで住宅の健康を保つ狙いがあります。そこで注目されるのが、一条工務店が標準採用する全館換気システム「ロスガード90」です。本記事では、ロスガード90の換気性能と特長を詳しく解説するとともに、第1種換気システムにおけるカビ発生のリスクと対策について、住宅メーカー・施工業者・設計士の方向けに専門的かつ具体的に紹介します。「ロスガード90 カビ対策」「第1種換気 カビ発生」などのポイントも踏まえ、高性能住宅でも安心して長く住まうための換気設計とメンテナンスの重要性を述べていきます。

    ロスガード90の換気性能と特長

    第1種換気システム(熱交換型)の仕組み

    ロスガード90は住宅全体の給気と排気を機械で行う第1種換気システムです。第1種換気とは、機械換気により強制的に新鮮な空気を室内に取り入れ、同時に汚れた空気を屋外へ排出する方式です。ロスガード90ではこの過程で熱交換を行うため、冬の寒い外気や夏の暑い外気を室内とほぼ同じ快適な温度に調整してから給気します。具体的には、排気の際に回収した熱エネルギーを熱交換器で新鮮な外気に受け渡し、室温に近づけてから各部屋に送り込む仕組みです。従来型の換気扇(第3種換気など)のように換気によって室温が乱れることがなく、全館換気しながらも室内の温度環境を安定に保つことができます​。

    業界最高水準の熱交換効率(最大90%)

    ロスガード90の名称が示す通り、この換気システムは最大90%という非常に高い熱交換効率を誇ります​。一条工務店によれば、この温度交換効率90%という数値は業界でも世界最高水準であり、省エネ性能の面で群を抜いています​。高い熱交換率により、換気に伴う熱損失が最小限に抑えられるため、冬場の暖房エネルギーや夏場の冷房エネルギーを大幅に節約できます。実際、一条工務店の試算では、延床面積45坪程度の住宅(名古屋市、全館床暖房運転)においてロスガード90を導入すると、熱交換なしの一般的な換気と比べて冬の暖房費が約59,000円から約19,000円へと3分の1程度に削減できたと報告されています​。このようにロスガード90は快適性と省エネ効果を両立させる換気システムと言えます。

    高性能フィルターによる花粉・PM2.5除去効果

    ロスガード90には高性能フィルターが備わっており、外気中の微粒子やアレルゲンを除去する性能も大きな特長です。オプションのPM2.5対応フィルターを取り付けた場合、花粉の99%をカットできるとされ​、同時にカビの胞子や黄砂、PM2.5などの微細な有害物質も99%除去可能と報告されています​。一般的な換気扇ではフィルターの目を細かくしすぎると風量が不足して換気が滞る恐れがあります。しかしロスガード90は十分な送風能力を持つため、目の細かい高性能フィルターを用いても各室に必要な換気量を確保できます​。その結果、花粉症やハウスダストなどアレルギーの原因物質を室内に入れずに済み、空気清浄機に頼らなくてもクリーンな室内空気環境を実現できます​。外気由来のカビ胞子やホコリもフィルターでシャットアウトできるため、住宅内でのカビ発生リスク低減にも一役買っています。

    24時間換気の仕組みと省エネ効果

    ロスガード90は住宅全館で24時間計画換気を行うよう設計されています。各居室や廊下などにダクトを巡らせ、常時ゆるやかな気流を生み出すことで家中の空気を約2時間程度で総入れ替えする能力があります​。これにより、人が活動する日中はもちろん就寝中も常に新鮮な空気が供給され、二酸化炭素濃度の上昇や生活臭の滞留を防ぎます。また熱交換型のため単に空気を入れ替えるだけでなく、前述の通り温度・湿度もコントロールしながら換気できる点が省エネに寄与します。冬場は暖房で温めた室内空気の熱を回収して外気を暖め、夏場は冷房した空気の冷熱で外気を冷やしてから取り入れることで、冷暖房負荷を軽減します​。さらにロスガード90は湿度交換機能も備えており、夏場には外から入ろうとする湿気を排気側の空気が吸収して一緒に排出するため、梅雨時や真夏でも室内の過剰な湿度上昇を抑えることができます​。このように年間を通じて温度・湿度を快適域に保ちやすくすることで、「年中快適な温度・湿度を実現できる」「湿気を予防してカビやダニの発生を防げる」といったメリットが得られるとされています​。加えてロスガード90本体は防音設計にも配慮されており、運転音が静かなため24時間稼働させても生活の妨げになりにくい点も魅力です​

    第1種換気システムにおけるカビ発生のリスク

    第1種換気システムで懸念されるカビ問題

    高性能な第1種換気システムを採用すれば室内のカビ発生リスクは大幅に下がりますが、それでもカビリスクがゼロになるわけではありません​。実際、一条工務店のような高気密高断熱住宅でも、使い方や環境によっては結露や湿気が発生し、結果としてカビ問題につながる事例があります​。高断熱・高気密な家は外気温の影響を受けにくい反面、いったん室内に湿気がこもると逃げ場がなく蓄積しやすいという特性があります​。換気が不十分な状態が続くと、見た目には問題がなく快適に感じる室内環境でも、実は壁の中や床下などでカビが密かに繁殖してしまうリスクがあるのです​。特に住宅の施主や居住者が「省エネのため」と換気システムの運転を停止してしまったり、風量を極端に絞ってしまった場合、室内の湿度が高くなり結露が発生しやすくなるため注意が必要です。

    換気ダクトやフィルターの汚れとカビ繁殖の関係

    第1種換気システムで見落としがちなのが、ダクト内部や熱交換器、フィルターの汚れとカビ繁殖の関係です。ロスガード90のようなシステムでも、長期間にわたりフィルター清掃や機器内部のメンテナンスを怠ると、換気経路にホコリや汚れが蓄積します。フィルターが目詰まりすると換気効率が低下し、湿気が十分排出されずに室内やダクト内に滞留しやすくなります​。さらに汚れたフィルターそのものや熱交換素子はカビの温床になりえます。実際に20年間ほとんどメンテナンスされなかった第1種熱交換換気システムを調査した例では、本来白いはずのフィルターが真っ黒に汚れ、取り外した熱交換素子にはカビとホコリが大量に付着して黒く変色していました​。熱交換器やダクト内部までカビが繁殖した状態では、換気によって家中にカビの胞子を撒き散らしてしまいかねません​。このように換気経路の汚染は室内環境を悪化させ、せっかくの高性能換気のメリットを台無しにしてしまうため、メンテナンス不足が大きなリスク要因となります​。

    室内の湿気・結露と換気のバランス

    高気密住宅では室内の湿度管理が極めて重要です。湿度そのものがカビ発生の鍵を握っており、一般にカビは相対湿度60%以上かつ温度20〜30℃程度の環境で繁殖しやすくなります​。換気システムが正常に稼働し室内空気の入れ替えができていれば、日常生活で発生する水蒸気(調理・入浴・呼吸によるものなど)も過度に蓄積せず屋外に排出されます。しかし、例えば冬場に加湿器を使いすぎて室内湿度が高くなりすぎたり、結露しやすい窓際で換気が行き渡らなかったりすると、窓ガラスやサッシ、北側の壁面など温度の低い部分に水滴が生じてしまいます​​。この結露は放置するとカーテンや壁紙、木枠にカビを発生させる原因となります。同様に、日当たりや通風が悪いクローゼット内、家具の裏側、床下空間などは湿気がこもりやすく、気付かないうちにカビが繁殖しやすいスポットになります​。ロスガード90のような24時間換気システムは基本的に住宅全体の空気循環を計画していますが、それでも局所的な湿度上昇や結露を完全には防ぎきれない場合がある点に留意が必要です。

    メンテナンス不足によるカビ発生リスク

    前述のように、第1種換気システムも適切に運用・維持されてこそ本来の性能を発揮できます。メンテナンス不足は換気量の低下だけでなく、換気装置自体にカビが発生するリスクを高めます。フィルター清掃を怠ればホコリと共にカビ胞子がフィルター表面で繁殖しはじめ、やがて風路を通って室内に放散されてしまうかもしれません。また熱交換器内部で発生したカビは装置内に留まらず、先述の通り各部屋への給気を介して家中に拡散する恐れがあります​。さらに機械そのものの故障リスクも無視できません。換気ファンやモーターに汚れが詰まれば動作不良を起こし、最悪停止してしまいます。日本住環境株式会社の報告によれば、高気密で高性能な住宅でも24時間換気がしっかり稼働していないと室内にカビが発生することがあり、換気が寿命前に止まってしまう主な原因はメンテナンス不足だと指摘されています​。このように、第1種換気を採用しているからといって油断せず、日頃から機器の状態に目を配ることが肝要です。

    カビ発生を防ぐための換気管理と対策

    ロスガード90を適切に運用する方法

    ロスガード90の性能を十分に発揮させるには、正しい運用方法を守ることが重要です。まず換気を常時稼働させることが基本です。24時間換気は法律で義務化されているだけでなく、先述の通り住む人の健康と住宅の耐久性を守るために必要な設備です​。省エネを優先するあまり換気を停止したり、必要以上に風量を絞ったりしないように注意しましょう。ロスガード90は熱交換によりエネルギーロスを抑えているため、常時運転しても光熱費への影響は最小限にとどまります。また運転モードが選択できる場合は、居住状況に応じて適切なモードを設定します。来客が多い日や調理・入浴で湿気が増えた時は一時的に換気量を強める「急速換気モード」を使う、逆に外気が極端に多湿・多塵の場合はフィルター清掃後に標準換気に戻す、といったメリハリのある運用も有効です。換気経路上の給気口や排気口も塞がないよう、家具配置にも配慮して常に空気が流れる経路を確保します。

    定期的なフィルター清掃と交換の重要性

    ロスガード90を含む第1種換気システムでは、フィルターの定期清掃・交換が欠かせません。フィルターは外気中の埃や花粉を捕捉するため時間とともに目詰まりしていきます。一般的には数ヶ月に一度程度の清掃や、メーカー推奨の交換時期に従った新品フィルターへの交換を行うようにします。フィルターが清潔に保たれていれば、常に設計通りの風量で換気できるため湿気が滞留しにくくなります​。実際、長期間掃除されなかったフィルターは真っ黒に汚れており、そこからの給気は室内環境に悪影響を及ぼします​。清掃の際には掃除機でホコリを吸い取ったり、水洗い可能な種類であればよく洗って完全に乾燥させてから装着します。加えて、熱交換ユニット内部にもホコリが溜まりがちなので、年に1回程度は点検口から内部を確認し、必要に応じて専門業者による清掃も検討します。定期メンテナンスによって換気システムを清潔に保つことが、結果的にロスガード90 カビ対策として最も効果的な手段となります。

    室内湿度管理(加湿器・除湿器の適切な使い方)

    カビ発生を防ぐには、換気と併せて室内の湿度管理にも気を配る必要があります。一般的に快適でカビの繁殖もしにくい湿度の目安は40〜60%程度です​。冬季は乾燥しすぎると健康に良くないため加湿を行いますが、湿度が高くなりすぎないよう加湿器の設定を調整しましょう。結露が見られるようなら加湿のしすぎです。ロスガード90(特に「うるケア」機能付きの場合)は全館加湿機能も備わっていますが、自動加湿に任せきりにせず適宜湿度計で室内環境を確認することが重要です。一方、梅雨時から夏場にかけて外気由来で室内湿度が60%を超えてしまう場合には、エアコンの除湿運転やポータブル除湿器の併用も有効です。換気だけでは取りきれない湿気は冷房除湿で補完し、室内が常にサラッとした状態になるよう調整します。また、家具類は壁に密着させすぎず適度な隙間を空け、クローゼット内にも除湿剤を置くなど、家の隅々まで通気を行き渡らせる工夫をしてください​。こうした湿度コントロールと換気の二本柱で、カビの好む環境を作らないことが大切です。

    結露を防ぐための施工・管理上のポイント

    住宅メーカーや施工業者の観点からは、結露を防ぐための施工上の配慮も重要です。高断熱住宅とはいえ、熱橋(ヒートブリッジ)や断熱欠損があると局所的に外気温の影響を受けて結露が発生する可能性があります。設計段階では窓の断熱性能を高め、気密施工を徹底することで隙間から湿気を含んだ空気が壁体内に侵入しないようにします。また、第1種換気の給気・排気バランスにも注意が必要です。換気計画が不適切で家全体が負圧になりすぎると、床下や壁内部の湿った空気を室内に引き込んでしまい構造体内で結露を招く恐れがあります​。ロスガード90のようなシステムでは基本的に給排気バランスが取れるよう設計されていますが、ダクト長や風量調整に偏りがあると微妙な圧力差が生じる可能性があります。施工時には各部屋の風量測定とバランス調整を適切に行い、住宅全体で中性圧に近い状態となるよう調整しましょう。さらに、換気ダクト自体の結露対策も見逃せません。外気と接する可能性のあるダクトには断熱材を巻いて結露防止する、換気ユニットにドレン配管がある場合は確実に排水できるよう勾配を付けて設置するといった施工上のポイントを守ります。引き渡し後も、定期点検時にこれら換気経路の結露やカビの有無を確認し、必要に応じて清掃・部材交換を行うことで、長期にわたり安心して換気システムを運用できるでしょう。

    まとめ

    高気密・高断熱の住宅に第1種換気システムを採用すれば、室内環境の快適性と省エネ性が飛躍的に向上します。しかしながら、どんなに優れた換気設備でもカビ発生のリスクが完全になくなるわけではない点に注意が必要です。実際にロスガード90のような高性能システムを備えた一条工務店の住宅でも、使い方によっては結露やカビ問題が起こり得ることが指摘されています​。重要なのは、ロスガード90の効果を最大限に活かすための管理ポイントを押さえることです。適切な換気運用(24時間稼働の徹底)、フィルター清掃や機器メンテナンスの実施、そして室内の湿度コントロールと結露対策を講じることで、カビのリスクを大幅に減らすことができます​​。

    住宅の換気設計とメンテナンスは、居住者の健康だけでなく建物自体の耐久性にも直結する重要な要素です。カビは一度発生すると健康被害を引き起こすだけでなく、構造材を腐らせ住宅寿命を縮めてしまう恐れがあります​。高性能な換気システムであるロスガード90を上手に活用し定期的なチェックを怠らなければ、たとえ高気密住宅であってもカビ問題を未然に防ぎ、清潔で長持ちする住まいを実現できるでしょう。設計・施工に携わるプロの方々におかれましても、換気計画とカビ対策の重要性を改めて認識し、施主が安心して暮らせる住宅づくりに活かしていただければ幸いです。今後も「一条工務店 カビ問題」に悩まされることのない快適な住環境を維持するために、適切な換気と日頃のメンテナンスを心掛けていきましょう。

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